校長日誌

「+α」…吹奏楽部・コーラス部

 介護・福祉は日常生活を支える仕事です。そこでは身体的な介助や援助とともに心のケアも含まれます。本校の生徒が福祉を学ぶ者として、介護福祉の知識・技術を習得することは必要条件ですが、それだけでなくプラスアルファが必要だと思うのです。それがユーザーさんの心のケアにつながると考えるからです。

 本校の吹奏楽部やコーラス部の生徒が地域交流で発表等を行い地域貢献をしています。福祉等の知識・技術を身に着け、「+α」として、吹奏楽・コーラスが出来ることは福祉等の職業人としても大事なことですね。

 

「なごみちゃん」は大人気。

 

子どもたちの「興味津々」の顔がよいですね。

「優しさ」と「潤い」を

 生徒の活躍する姿が写っていない写真を載せても、意味のないことだとは承知しているのですが、新緑の芝生があまりにも目に飛び込んできたので、載せることにしました。

 

 

 本校へ来て、誰もが一番最初に目が行くのは校庭だと思います。公立学校としては珍しい芝生に覆われた校庭。管理している職員の苦労が偲ばれますが、校庭で生徒が活き活きと体育や部活動に励んでいる姿を見ると、なお一層素晴らしく感じられます。

 

 本校に校長として最初に来た時、芝生の校庭に「優しさと潤い」を強く感じました。本校の生徒や職員に接するとこの校庭のように「優しさと潤い」を感じるのは私だけでしょうか。大切にしたい本校の特徴の一つですね。

新緑が眩しい美しい季節になりましたね。

前を向いて学校で楽しみを見つけよう

「人は楽しみに導かれて仕事をする」

 Johan=Huizinga

入学式の式辞でも触れましたが、ヨハン・ホイジンガについて書きたいと思います。

 ヨハン・ホイジンガはオランダの歴史家で社会学者です。何を研究したかというと、ズバリ「人は何をよすがに生きるのか」を論じた人です。

 著書としては「中世の秋」があります。これはキリスト教でガチガチだった中世の人は、何を楽しみに生きていたのかを考察したものです。もう一つは「ホモ・ルーデンス」、日本語訳せば「遊ぶ人」といった意味でしょうか。誤解なきように言いますが、ホイジンガは「遊び」を広くとらえています。どちらかと言えば「楽しみ」や「余裕」、「息抜き」に近い意味で捉えています。

 では、ホイジンガは何が言いたかったのか。結論から言えば、ホイジンガの研究の本質は「人は楽しみに導かれて、生活している」ということです。私もそうですが、仕事は時にきついし嫌になることもあります。しかし、どんなきつい仕事にも「楽しみ」があるというのが、ホイジンガの主張です。その楽しみに導かれて人は仕事を全うしているのだということです。これは生徒の皆さんの保護者の方も実感できることでしょう。
 私も、そうだと思います。自分も仕事はきついと感じる時がありますが、書類が完成した時の充実感だったり、朝会で生徒に話したとき、「校長先生の話、よく分かったよ」と言われると、やりがいを強く感じます。この極端な例が、甲子園の高校野球でしょう。優勝校は1校です。しかも、栄光は選手の人生の長さから比べれば一瞬です。それでも全国の球児は、この一瞬の栄光(ホイジンガの言う「楽しみ」と言い換えてもよい)のために、厳しい練習にも耐えるのです。

 誠和福祉の生徒に望むこともまさにここにあります。とにかく学校で何でもよいので「楽しみ」を見つけること。「楽しみ」を見つければ、それに導かれて学校生活は充実したものになります。
 ホイジンガは言います。「どんなつらい状況にあっても、人は「楽しみ」を見つけることができる。ただ前を向いていないと、「楽しみ」は見つからない。」

令和4年度3学期終業式

 本日、令和4年度3学期の終業式を行いました。

 1学期の終業式以降、始業式・終業式はオンラインで各教室で視聴する形式で実施していましたが、今回は1・2年生全員に体育館に集合してもらう形式で実施しました。

 今年度は新型コロナウイルスの状況を注視しながらでしたが、できる限りコロナ感染前の教育活動に戻すことができればと考え進めてきました。日頃の感染予防対策もあり、授業はもちろんですが、部活動、学校行事、そして福祉科の現場実習など少しずつではありますが元に戻ってきつつあり、年度末の終業式迎えることができました。また、マスクを着用したままでしたが、久しぶりに校歌斉唱も行いました。

 約2週間余りの春休みを経て、令和5年度の新学期が始まります。在校生の皆さんは進級に向けて準備をしっかりとしてほしいと思います。この休業中も引き続き体調面・安全面に注意して4月10日の始業式には元気に登校してきてくれることを望んでいます。

第15回卒業証書授与式を挙行しました。

 令和5年3月10日(金)、第15回卒業証書授与式を行いました。

 今年度の卒業生は、本校に入学する際すでに新型コロナウイルス感染症がまん延し始めていたこともあり、入学式も保護者の参列がかなわず、新入生と教職員のみで実施するという状況でした。その後3年間の高校生活もコロナ禍によりさまざまな制限の下で過ごさざるをえませんでした。

 そのため、特例として今回は卒業生一人一人に卒業証書を校長から手渡す形式で行いました。緊張した様子も見えましたが立派な態度で証書を受け取ってくれ、この3年間での成長の跡がうかがえました。

 卒業生のみなさん、これから進む道はそれぞれ異なりますが、自分で選んだ道です。自信をもって、自分自身の人生を自分の手で切り拓いていってください。一人一人がそれぞれの分野で活躍し、社会に貢献されることを願っています。